今日の講師紹介は、どことなくセレブな雰囲気の漂う小笠原和葉さんです。
和葉さんと小松ゆり子さんには、「タッチの力で幸せに♪」〜やわらかに軽々生きるためのソマティック~ というテーマでクラスを受け持っていただきます。
代官山のカフェでインタビューさせていただきました。
◆和葉さんのボディワークとの出会いについて教えてください。
◇ボディワークと出会ってから13年ほどになります。当時は、アトピー、アレルギーがひどくて東京中の病院を回りましたが、全然良くなりませんでした。ところが、ヨガで体が良くなったんです。始めてから半年ほどで体とのつながりができて来て、「私がいた!」「体がある!」という気付きがあり、これがきっかけで体が良くなってきました。気付きが、体との距離を縮めていったのではないかと思います。
気付きから体に変化が起こったことが面白く、心と体のつながりを研究したいという思いが湧きあがってきました。メンタリティは研究者ですね。
そこからボディワーカーになろう!と、いろいろなワークを調べ、その中からエサレンマッサージとクラニオセイクラルを選びました。
◆ボディワーカーになろうと思って、そこから調べ始めるところが理系らしい発想ですね。
◇エサレンマッサージは、『寄り添う』『相手を変えようとしない』という姿勢に共感し、ワークを受けて良かったので認定トレーニングを受け始めました。
最初は、ハンドポジションや圧のかけ方、ストロークなどの手技を学びに行ったはずなのですが、トレーニングではダンスなんかをして内面に向かうばかりで、なかなか手技を教えてもらえない。そのうち、講師から「じゃあマッサージやってみて。」と、そんなトレーニングでした。
そのうち、トレーニングの中で体験をシェアする時の受容的な雰囲気がタッチの質を変えてくることに気付きました。どんな内容のシェアをしても、それに対して意見しない、批判しないという場の力が、自然と癒しを起こしてくれました。それで、自覚なく自分という「存在」が変わっていき、「タッチの質」が変わってくるんですね。タッチが変わるのは最後です。
だから、触れる前に勝負はついている(笑)。タッチには自分の状態が映るので、ごまかしがききません。
◆今回のテーマは「タッチの力で幸せに♪」ですね。
◇はい。体で感じるところがリアリティです。頭で難しく考えてしまう方ほどお勧めです!!
Bodyから入った方が、早いし、安全で間違いがないと思います。感覚で知っているのと、言葉で理解しているのとでは理解の深さが全然違いますね。力んでいるよりも、リラックスしていた方が互いに良いことが起こるし、それがタッチを通して簡単に分かります。ひざかっくんのように分かります(笑)。
子育てをしていても、ボディワークをしていて良かったと感じますね。育児書には、「見守る」「自主性」「信じる」などのキーワードが良く出てきますが、その言葉が体の感覚として理解できます。そうなると、再現できるんですね。
体で分かることのインパクト、経験で分かることの単純さを伝えたいですね。
◆和葉さんのホームページを見ると、表現が難しいことを分かりやすい言葉で表現されていますね?
◇ここ2年くらいは、どう伝えるかということを考えてきました。ボディワークの世界は本当に面白いし、社会にも役立つと思います。この面白さをサブカルの密室から世に出したい、オタクの中に閉じ込めておくのはもったいないと思います。
例えば、今の日本では自殺者の数は年間約2万4千人ほどです。そのうち、9割は医療に行っていない。医療でうまくいかない所でも、体からのアプローチでうまくいくことも多いと思うんです。こういう層にもアクセスしていくことも、考えた方が良いのではないでしょうか。
ボディワークに係わっている人は、自らを極めていくというタイプが多いと思いますが、一方で、自分が得たものを役に立つ人に届けるという視点も大事だと思います。社会に還元する所までが仕事だと思うんです。
そのためには、表現の難しいことも分かりやすく言葉にしていこうとする姿勢が大事なのではないでしょうか。
◆個人の主観的な体験を伝わる言葉にしていくことは大変だと思いますが、確かに必要とする人へ伝えようとする努力は必要ですね。最後に、フェスタではどのようなことをしようと考えていますか?
◇タッチの力をとおして、”自分”に出会ったり人と出会うことの楽しさ、奥深さを体験していただけるようなワークをいくつか用意しています。 ソマティック!と身構えずに、カラダという入り口から入って”簡単に幸せになりたい”人に来てもらいたいですね(笑)。
(インタビューアー 山田岳)